英語学習においてスピーキングというのは、多くの方達が悩むポイントです。
でもスピーキング力は、留学に行かなくても、英会話学校に行かなくても、市販のテキストやサービスを上手に使っていくことで、お金をかけなくても確実に伸ばしていくことができます。
▶︎ 読み書きはできるけど、スピーキングには苦手意識がある
▶︎ もっと流暢に英語が話せるようになりたい
▶︎ 独学でスピーキング力をアップさせたい
▶︎ スピーキングの具体的な勉強方法が知りたい
この記事ではこれらの悩みにお答えしながら、英語のスピーキング力をアップさせるための勉強法をお話しします。
【英語のスピーキング勉強法】独学で英語のスピーキング力を鍛えるための勉強法8選 ①
【英語のスピーキング勉強法】独学で英語のスピーキング力を鍛えるための勉強法8選 ②
目次
とにかく英語をインプットする
英語を話すためには、インプットが何よりも大切です。
英語のスピーキング力を伸ばすとなると、「まずは話す練習をしなければ!」と思ってしまう方が多いのですが、それは違います。
英語を話すというのは、自分の頭の中にある英語をアウトプットするということです。
ですので、まず最初にするべきは頭の中に英語を入れること、つまりインプットをすることが大事なのです。
まだ頭の中に何も英語が入っていない状態で「英語を話したいのに、英語が口から出てきません」という人はたくさんいるのですが、その理由はシンプルで単にインプットが不足しているからです。
>>【インプットの質を上げる】質の高い英語のインプットの2つの条件
英語が話せないと感じる場合は、まずインプットの量を見直しましょう
Netflix で話すためのインプットをする
インプットをするときに大事なのが、自分が話す英語をインプットするということです。
先ほどもお話しした通り、自分の頭の中にあることしかアウトプットできないのであれば、インプットするべきは「自分が話したい英語」です。
ですので、もし「日常会話」が英語でできるようになりたいなら、インプットするべき素材は海外ドラマや洋画のようなものです。
またキッズ用のアニメもシンプルかつリアルな英語が満載なのでとても役に立ちます。(Netflix をお持ちの方であれば Netflix for Kids などを利用してみてください!)
>>【Netflixで字幕を同時表示】Language Reactor (旧 Language Learning with Netflix)
一方、難しいアカデミックな素材などは、資格試験のスピーキング対策などであれば良いかもしれませんが、カジュアルな日常会話ができるようになりたい方にはあまり向いていません。
あまりに専門的な用語を英語でインプットしても、スピーキングで使うことはあまりありません
中学レベルの文法をカバーする
英語を話すためには、英文法をしっかり理解しておくことも必須です。
英語を話したいのに文法を勉強しなければいけないのかと思われるかもしれません。
でも、どれだけ一生懸命英語を話しても、英語のルールを無視して話していては相手にメッセージが伝わらないのです。
英文法を無視した英語は、ただの単語の羅列ですので、相手はそれらの単語から意味を「推測」するしかなくなってしまいます。
ですので、最低限メッセージを相手に伝えられる文法力が必要になります。
基礎から学ぶなら Grammar in Use に取り組む
もし基礎からしっかり学ぶのであれば Grammar in Use がお勧めです。
特に Basic はざっくり中学英語レベルの英文法が網羅されていますので、確実に押さえておく必要があります。
さらに幅広い表現力を身につけるためには Intermediate までカバーできたら完璧です!
>>【2021年版】Grammar in Use の使い方を徹底解説(効果的な勉強方法・種類と選び方)
>>【2021年版】Grammar in Use の勉強法を徹底解説(ノートの使い方・音読の方法)
それぞれそれなりのボリュームがあるテキストですが、3ヶ月程度集中的に取り組めば十分にやり切れる分量です。
ただあまり細かい文法まで知らなくても、基本的なことは伝えられるので、まずは文法の基礎を優先していきましょう。
I couldn’t live without you.
(私はあなた無しでは生きていけません)
例えばこの文には仮定法と呼ばれる難しい文法が使われていますが、これはもっと基本的な文法でシンプルに表現することができます。
I love you so much.
(あなたのことが大好きです)
このようにメッセージはいくらでもシンプルに伝えることはできますので、まずは基本的な文法を優先して学んでいくことが大事になります。
瞬間英作文で英文法のパターンを掴む
英文法はネイティブスピーカーたちがよく使う英語のパターンです。
ですので、それらをパターンごとにまとめたテキストもスピーキング練習に活用しやすいのでお勧めです。
代表的なものとしては『瞬間英作文』がありますが、似たコンセプトの本は他にもたくさん出版されているので(それだけ効果が実感されているということです!)、ぜひレイアウトや例文など自分にあったものを探してみてください。
基本的な単語を使う
スピーキング力を高めようとすると、どうしても「まずは単語帳から…」と難しい語彙を覚えようと必死になる方もたくさんいます。
でも個人的には、難しい単語から覚えるえことはあまりお勧めしません。
なぜなら自分が伝えたいことのほとんど全ては、基本的な語彙(中学校レベル)だけで十分に相手に伝えることができるからです。
例えば、下記のような表現はこんな風にシンプルにすることができます。
I commute to work every day. (私は毎日通勤しています)
⇨ I go to work every day. (私は毎日仕事に行っています)
He was imprisoned.(彼は投獄されました)
⇨ He was sent to jail. (彼は刑務所に送られました)
基本単語は iKnow! でさくっと全部覚える
これらの基本的な英単語はiKnow!のようなアプリを使ってサクッと覚えてしまうと良いです。
「英会話マスター」のコースなどを2~3ヶ月程度で終わらせて短期間で基礎を固めてしまいましょう。
もちろん将来的には、よりレベルの高い英単語を覚えてそれらを自在に駆使していくのが理想的です。
でも、もし基本的な言葉を使いこなせていないようであれば、まずはベースの単語をしっかり固めて、それらの手持ちの単語をスムースに使えるようにすることがスピーキング力向上の近道です。
まずは基本的な語彙があればスピーキングには困りません
ここまで、スピーキング力を鍛えるための、インプットについてお話しをしてきましたので、一度内容を整理したいと思います。
まず、インプットを正確に理解するためには、基本的な文法や語彙を知っておく必要があります。
文法や単語を知らないままインプットをしても、ただ記号を目で追っているか、雑音を聞き続けているのと変わらなくなってしまいます。
また、質の高いインプットをたくさんこなすことで、何が自然な英語なのかを見分ける力がつきます。
そうすることで、英語を話す際にも自然な英語が口から出てくるようになります。
逆にもしインプットをせずに、ただ単語を文法のルール通りに組みわせていると、不自然な英語になり相手に伝わらなくなってしまいます。
インプットと単語と文法は、それぞれ密接に関わり合い、スピーキングの土台を作る要素になります。
発音記号を学ぶ
スピーキングは声にして相手にメッセージを伝えるので、発音を学ぶことが必須です。
そして発音のスタート地点になるのが発音記号です。
英語はいつもスペルの通りに発音されるわけではないので、スペルを見ただけでは正確な発音はわかりません。
また英語に慣れないうちは、音声だけ聞いても正確な発音をマネすることはほぼ不可能です。
英語には日本語にない未知の音がたくさんあります
ですので、正確な発音を学ぶためには、何よりも先に発音記号を学ぶ必要があります。
最初は見慣れない記号ばかりで戸惑うかもしれませんが、実際にはそこまでの量はありません。
オンラインでいくらでも無料で学ぶことができるので、必ず発音記号は読めるようにしておきましょう。
『グランドセンチュリー英和辞典 第4版』の「発音解説」などを参考にして、一気に覚えてしまえば1日で十分に学べる量です。
一度覚えてしまえば一生ものの知識になるので、是非この機会に覚えてしまいましょう。
音読トレーニングをする
発音記号が読めるようになったら、あとはひたすら音読を通して、英語の音をマネしていくことを繰り返します。
音読にはたくさんのパターンがありますが、音を丁寧にマネするという意味では、リピーティングやリプロダクションがお勧めです。
ここでは簡単にやり方をご説明しますが、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
>>【徹底解説】リプロダクションの効果的なやり方(英語のリスニング勉強法)
[リピーティング]
❶英語の音声を聞く
❷音声を止める
❸リピートする(スクリプトを見ながら)
[リプロダクション]
❶英語の音声を聞く
❷音声を止める
❸リピートする(スクリプトを見ないで)
発音に迷うことがあったら、すぐに辞書を引いて発音記号をチェックしましょう。
前後の音のつながりなどで、発音記号通りに発音されていないこともあります。
でもそれらは、リピーティングやリプロダクションをしながら、お手本の音声を聴き込み、微調整を重ねていくことで、ネイティブの発音に近づけていくことができます。
自分の頭の中をすべて英語で書き出す
ここから、いよいよ自分のアイディアを英語でアウトプットしていく段階になります。
ただ、まだ英語は話しません。ここではまず英語を書くことから始めていきます。
英語を話すというスキルは、みなさんが既に実感されている通り「読む・聞く・書く・話す」の4技能の中で、間違いなく最も難しいスキルです。
ですので、まずは英語を書けるようにして、それを話せるようにするというステップを踏んでいきます。
まずは英語を書くことで頭を整理する
英語を話すときと違い、英語を書いているときは、ゆっくり表現したいアイディアについて考えることができますし、英語を間違えたら修正をすることもできます。
もちろん、単語がわからなければ辞書を使って調べても大丈夫です。
そうやって一度英語を書き出すことで、伝えたいアイディアが整理され、それを英語で表現するためのフレーズも再確認できます。
アイディアを書き出すプロセスを経ることで、それらのトピックはずっと話しやすくなるはずです。
スピーキングの内容は全て事前に準備できる
また、英語のスピーキングは、自分の考えていることを英語で伝えることなので、話す内容はすべて事前に準備をすることができます。
(逆にリーディングやリスニングは相手が何を言ってくるかわからないので、知らない単語があるかもしれないし、馴染みのないトピックについて話されるかもしれないし、事前準備のしようがありませんよね)
ですので、自分が話す可能性のあるトピックは英語で表現できるよう、できる限り準備をしておきましょう。
あらゆる準備が事前にできるという意味で、スピーキングは実は一番簡単だったりします。
もちろん全てのアイディアを英語にするのは大変かもしれませんが、例えばこれから「海外のクライアントとミーティング」をするのであれば、その打ち合わせで伝えなければいけないことを準備することはできるはずです。
英語のスピーキング力を伸ばすというと、ついつい何でも話せなければいけないと思ってしまうものですが、そんな必要は一切ありません。
一見当たり前のように思えますが、自分が話したいことだけ、話せるよう準備しておけば大丈夫なのです。
「すべて」のことを英語で話せるようになる必要はありません。
ネイティブの添削を受ける
このようにして自分でアウトプットした英作文は、ネイティブ添削を受けるようにしましょう。
そうすることで、文法的に間違っているところ、表現が不自然であるところを修正していくことができます。
英文の添削については、添削サービスを利用するのも良いですし、この後ご紹介するオンライン英会話で直接講師に質問をしながら添削をしてもらうのもありです。
僕個人的には両方ともトライしたことがありますが、それぞれ違ったメリットがあります。
前者であれば文章のやりとりだけなので時間や場所を問わず添削を受けられますし、後者であれば疑問に思ったことはとことん質問できるのが良いところです。
>>オンライン英会話の効果的な使い方【TOEIC満点・英検1級が語る】
自分自身に合ったスタイルで添削をしてもらいましょう!
自分だけの表現集を作る
このようにして添削をしてもらった英文は、自分だけの表現集としてストックしていきます。
つまり、自分が英語で表現したいことが全て載っている表現集を作っていくわけです。
表現をAnkiアプリで復習する
ちなみに僕はこのように添削を受けた英文は全てAnkiというアプリに入れて毎日復習をするようにしています。
このアプリは脳科学的に最も適切なタイミングで復習をすることを可能にしてくれるツールで、最低限の時間で最大限のインプットを可能にしてくれます。
Ankiのダウンロード方法や詳しい使い方については、こちらの記事をご参照ください。
>>【最強の英単語アプリ】Anki の使い方のコツとカードの作り方 (裏表・穴埋めカード)
Ankiは無料で使えて、英語フレーズを超効率的に定着させることができるツールです
オンライン英会話は毎日やる
そして最後に、英語を話すフェーズです。
ここではオンライン英会話を活用していきます。
以前は英会話というと割高なイメージもありましたが、最近では手頃な価格で毎日受講できるオンライン英会話も多くあるので活用しない手はありません。
個人的には、24時間いつでも世界中の先生たちと話せるという理由で、DMM英会話を何年も使っていますが、他にもたくさんの良いサービスがありますので、ぜひ無料体験レッスンなどしながら、ご自身にとって一番合うオンライン英会話サービスを探してみてください。
>>オンライン英会話の効果的な使い方【TOEIC満点・英検1級が語る】
あとは実践を重ねるのみ
ここまでの下準備がしっかりと出来ていれば、あとはひたすら実践を重ねるのみです。
オンライン英会話で英語を話すのは、スポーツで言えば練習試合のようなものです。
ですから、練習試合ばかりやっていても意味がありません。日々のトレーニングがあって初めて、その成果を試す場としてのオンライン英会話に意味が出てきます。
オンライン英会話ばかりやっていても効果が出ないのは、それ以外のトレーニングが疎かになっているからです
ここまでのトレーニングがないと、どれだけオンライン英会話を受講しても、毎回同じような自己紹介をして終わってしまいます。
言えないことがあっても言えないまま、毎回同じところでつまずいてしまうのがオンライン英会話の落とし穴です。
でも、きっとここまでこの記事を読んでくださった皆さんであれば、そんなことはないはずです。
基本的な知識をしっかり固めた上で、事前に伝えたいメッセージを英語にして書き出しているので、言いたいことは必ず口から出てくるはずです。
もちろん、言いたいことが出てこないこともあるかと思います。
でもそんなときは伸び代を見つけたと思って、また辞書を使いながら書くところから始めてみましょう。
そしてそれをネイティブに添削してもらって、何度も口に出して練習すれば、次のオンライン英会話では必ず話せるようになっているはずです。
このようなプロセスの繰り返しをすることで、英語のスピーキングは確実に伸びていきます。
まとめ
ということで、今回は英語のスピーキング力の向上をするための、具体的な勉強方法についてお話をしてきました。
一見遠回りにも見えるかもしれませんが、まずは大量のインプットをしつつ基本的な文法や語彙について下地を固めます。
↓↓↓
次に発音記号を学んで、かつ音読トレーニングでネイティブの英語をマネしながらひたすら英語を口に出していきます。
↓↓↓
そして、自分のアイディアを英語で書き出して、それをネイティブ添削を通して自然な英語に仕上げてもらったら、あとはひたすらオンライン英会話で実践を重ねるのみです。
いきなり全部をやれなくても大丈夫です。まずは基礎から順番に、自分にとって最適なペースで、一つひとつステップを上がっていきましょう。
そうすれば必ず自信を持って英語が話せるようになるはずです!
僕が定期的に開講しているコーチングでは、人数限定でスピーキング力をアップするサポートをしてます。詳しくは下記のバナーからご覧ください!