英語のリプロダクション(やり方・効果)

 リプロダクション(reproduction)とはその名の通り、聞いた英文をそのまま自分の口でリプロダクション(復元・再現)する勉強法です。

 リプロダクションと呼ばれるこの学習法は、一般の英語学習者の間ではまだまだ知られていません。しかし、リプロダクションはリスニング力のみならず、スピーキング力の向上にも大いに役立つ勉強方法です。

 そして、私が個人的に最も愛用する勉強方法でもあります^^


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リプロダクションのやり方

 

 リプロダクションというのは、流れてくる英語の音声を聞いて、音声を停止させ、自分の口頭から全く同じように聞いた英文を再現する学習法です。

 言ってしまえば本当にこれだけなのですが、リプロダクションはやればやるだけ奥が深いです勉強法です。ここからはじっくりと、その細かいイメージをお伝えしていきます。

 

①音声を再生する。

 まず英語の音声を用意したら、それを2〜5秒程度再生し、一時停止させます。

 あまり短過ぎても練習になりませんし、長過ぎてもリプロダクションできなくなってしまいます。長さは教材の難易度、個々の能力に応じて調整してください。

 

②全く同じように英文を再現する。

 そして、音声を停止した後、すぐに自分の口から「全く同じ英文」を、「正確な発音」で再現してください。

 

 完全に文を覚えてなくても構いません。むしろ完璧に無味乾燥な英語を、単語にばかり集中して一言一句覚えるというのは、あまりうまいやり方ではありません。

 一旦英文を聞いて、それが頭のなかで「イメージ」になり、それが再び言語化されて口から出てくれば、それは理想的なリプロダクションです。

 一言一句は覚えられなくとも、英文のリズムとキーワードが頭に残っているはずです。そのため、イメージを正確に頭で描くことができれば、ほぼ正確な英文をアウトプットすることができるようになります。

 

リプロダクションの効果

 

 リプロダクションができるようになると、以下の能力が向上します。(というよりも、それらの能力を身につけないと、リプロダクションという学習法は成り立たないと言ってもいいのかもしれません)。

 

①正確な文の構造の理解。
②文を正確に再現するための知識の運用能力。

 

 これらリプロダクションに必要な能力とは、シャドーイングが要求する能力とほとんど同じです。ただ、リプロダクションではシャドーイングとは質の違う負荷がかかることになります。


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シャドーイングの特徴

 シャドーイングは2、3秒程度遅れて英語の音声についていくため、考える時間もほとんどないままに、英文を口頭で再現していかなければなりません。

 しかし、シャドーイングにおいては、一度聞いた英文を保持している時間がほんの数秒なので、リテンション(英文の保持)にかかる負担はほとんどありません。

 

リプロダクションの特徴

 一方でリプロダクションには、シャドーイングのような慌ただしさはありません。しかし、リプロダクションでは、長ければ5秒ほどの英文を一気に頭の中に入れて、それを一気に再構成(リプロダクション)するため、その負荷は桁違いにふくれあがります。

 

 リプロダクションが、正確な英文の理解と、それを再構成する知識の運用能力が確立されていない限り、トレーニングとして成立しない理由はまさにここにあります。

 ①リプロダクションのように長い文章を一定時間頭に留めるには、英文をイメージとして捉えられる理解力が必要で、②その英文を流暢に一気に再構成するためには、高度な英語の運用能力が必要だからです。

 これらリプロダクションで鍛えられる能力は、①リスニング力と②スピーキング力と言い換えることもできます。

 

リプロダクションはハードルが高い

 

 ただ、私が英語を教えてきた経験から、多くの生徒はこのリプロダクションで挫折します。おそらく、実際にやってみると、リプロダクションがとてつもなく難しい勉強法だと気づくからだと思います。

 

 そんな人にアドバイスしたいのは、「リプロダクションだけでリプロダクションができるようになる必要はない」ということです。

 つまり、リプロダクションができなかったらと言って、むやみやたらにリプロダクションをしようと繰り返すのは、むしろ遠回りだということです。


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 もしリプロダクションに躓いたら、まず、わからない単語や文法を調べてください。そして、発音やアクセントについてもわからないところは必ず調べるようにしましょう。

 そもそも正確な英文の解釈がないと、英文を保持することもできなければ、再構成することもできません。英文を正確に読解できることが、リプロダクションの出発点になります。

 

 英文を正確に読めるようになったら、次はその英文を音読やリピーティングなど、負荷の比較的低いトレーニングで土台を固めてください。

 それらの学習法で、徐々に英文の内容やリズム、構造などを頭に刷り込ませていきます。そうやってしっかりと下地を作ったら、もうその英文はほぼ暗記したような状態になっているはずです。

 

そうなれば、リプロダクションは一気にやりやすくなります。

 

それでも難しいと感じたら

 

 もしかしたら、それでもまだリプロダクションが難しいと感じるかもしれません。

 

 もしそう感じるなら、1回音声を再生したのに対して、納得がいくまでリプロダクションを繰り返してみてください。1回の再生で1回しか発話しちゃいけないなんてルールはありませんので。

 また、1回聞いてだけで発音がわからなければ、何回だって再生して大丈夫です。型に捕われず、どうやったらリプロダクションの目的を達成できるのかを考えながらやってみてください。

 

 そうすれば、1回目より2回目、2回目より3回目と、段々とりプロダクションが上手になっていく自分に気がつくはずです。