【必ず聞き取れる】英語のリスニング力をアップさせる勉強方法【聞き流しNG】

公開日:2021.10.21
英語学習ロードマップ

こんにちは。上田哲也 (@English09040) です。

英語のリスニングって難しいですよね。英語なんて一生聞き取れないんじゃないかと思うくらい、僕も昔は英語のリスニングが苦手でした。

でも、リスニングは正しいやり方で取り組めば、誰でも英語が聞き取れるようになります。

しかし、聞き取れるようになるプロセスをしっかり理解できないまま勉強していると、かなり遠回りをすることになってしまいます。

▶︎ リスニングをどうやって勉強したらいいかわかりません。
▶︎ たくさん聞いていれば英語が聞き取れるようになりますか?
▶︎ とりあえずシャドーイングやっておけばいいですか?

僕のもとには日々このような質問がたくさん来ます。

この記事では、そんな疑問にお答えするため、英検1級・TOEIC満点・IETLSのリスニングセクションでも満点を取った僕がどんなことを意識して勉強しているか、今日からすぐに実践できる具体的なアクションを交えて解説します。

意味理解

英語のリスニングを鍛えるためには「とにかく英語をたくさん聞くべき」と思っているとしたら、勉強方法を見直す必要があります。

英語のリスニング力を上げるためには、まずリーディングを鍛えてください。

英語を聞けるようになるには、その英語が読めるとうことが大前提です。

スクリプトに文字で起こされた英語が読めないとしたら、その英語は絶対に聞きとれません。

リスニングはリーディングよりもずっと難しいです。

▶︎ リスニングは一発で理解しなければいけない
▶︎ リスニングは自分のペースで読めない
▶︎ リスニングは文字ではなく音で理解しなければいけない

これらの理由により、リスニングはリーディングよりも圧倒的に難しく、基本的に読めないものは聞けないのです。

 

POINT

英語が聞けるようになるには、まずは読めるようになる必要がある。

英単語・定型表現を知る

これは全ての英語学習の基本ですが、まずは英単語や定型表現を覚えましょう。

このプロセスを軽視してはいけません。

どんなに英語ができる人でも、知らない単語や表現が出てきたらその英語を理解することはできません。

これは英語のレベルを問わず言えることです。

My son played hooky.
息子が学校をサボった

Don’t mind if I do.
いただきます。(お茶などを勧められたとき)

もちろん文脈から推測できることもあります。

でも、意味が想像もつかなかったり、推測が外れることもよくあるので、最初のうちは特に愚直に、単語帳を使ったり辞書をしっかり使いながら、英単語や定型表現を覚えた方が効率が良いです。

 

POINT

英単語や定型表現は、しっかり単語帳や辞書を引きながら能動的に覚える

英単語を覚えるときは、必ず紙の単語帳ではなくアプリで覚えるようにしてください。

もしまだ Anki や iKnow! のいずれからの英単語アプリを使っていないという方は、すぐにダウンロードして英単語学習を開始しましょう。

それぞれのアプリの使い方はこちらの記事をご参照ください。

>>【英単語アプリ】iKnow! の効果的な使い方を解説 (おすすめのコースも紹介!)
>> 【最強の英単語アプリ】Anki の使い方のコツとカードの作り方 (裏表・穴埋めカード)

英単語はアプリで覚えた方が圧倒的に効率的です

英文法を学ぶ

英単語や定型表現を学んだら、次は英文法です。

リスニングの勉強法を知りたかったのにまだリスニングをやらないのかと思われた方は、次の文章を読んでみてください。

He talks as if he knew everything.

どうでしょうか。正確に読めましたか?

この英文は「まるで彼は全てを知っているように話す」という意味です。

▶︎ as if → まるで〜かのように
▶︎ he knew… → 仮定法過去 (現在の事実とは異なる)

もしこれらのことがわからないと、「もし彼が知っていたら話すだろう」のような全く意味の通らない日本語訳になってしまうかもしれません。

つまり、仮にこの文を正確に聞き取れて、しかも一言一句全てスペルまで書き起こせたとしても、これらの文法がわからなければリスニングで理解することはできないということです。

>>【実践的な英語力をつける】英文法を学ぶべき理由・効果的な学び方

 

POINT

文法がわからないと英語は聞き取れない

もし英文法は全部わかりますと自信を持って言えないとしたら、まずは文法を固めましょう。

何から取り組んで良いかわからないという方は、まず Grammar in Use に取り組んでみてください。

▶︎ 中学英語 → Grammar in Use (初級編)
▶︎ 高校英語 → Grammar in Use (中級編)

Grammar in Use の選び方や使い方について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

>>【2021年版】Grammar in Use の使い方を徹底解説(効果的な勉強方法・種類と選び方)
>>【2021年版】Grammar in Use の勉強法を徹底解説(ノートの使い方・音読の方法)

意味理解まとめ

ここで一旦前半のまとめです。

ここまでお話ししてきた通り、英語を聞き取れない原因のひとつに、この意味理解があります。

つまり英語が「聞けるか」どうか以前に、その英語は「読んだら理解できるか」ということが大事だということです。

ですので、リスニングを鍛えるには、地道な作業ではありますが、読んで理解できる英語の幅を一つずつ増やしていくしかありません。

 

POINT

読んで理解できる英語を増やすことが、リスニング力アップの第一歩

音声知覚

次に音声知覚についてお話ししていきます。

これは簡単に言えば、正確に英語の音を理解するということです。

どれだけ読んで理解できる英語が増えたとしても、音としてそれを理解できなければリスニング力の向上は見込めません。

「読んだら分かるのに、話されると全然聞き取れない」

もしこんな経験がある人は、この音声知覚に原因があるかもしれません。

発音記号を学ぶ

まずは発音記号をしっかり覚えましょう。

なんだか発音記号を勉強するのなんか面倒だなと思われるかもしれません。

でも、英語には日本語に無いたくさんの音があります。

カタカナ英語の音を理解している限り、正確に英語の音を理解することはできません。

発音記号は、いきなり完璧にしなくても大丈夫です。ざっくりでも読めるようになるだけで、かなりリスニングの勉強はしやすくなるはずです。

発音記号をまだ全て覚えていないという方は、こちらのサイトを参考にしてください。

>>『グランドセンチュリー英和辞典 第 4 版』「発音解説」
>>あいうえおフォニックス

もしかしたら英単語の発音くらいわかっていると思われるかもしれませんが、基本的な単語でも間違えて発音されるものはたくさんあります。

例えばこれらの単語を、みなさんは正確に発音することができますか?

▶︎ again
▶︎ sick
▶︎ organic

▶︎ again /əgén/ は「アゲイン」と発音されがちですが、発音記号を見てみると「イ」の発音が無いことがわかります。

▶︎ sick /sík/ を日本語の「シ」に引きずられて sh の発音になってしまう人も多いものです。

▶︎ organic /ɔrgǽnik/ は単語の頭にアクセントを置いて発音してしまう人が多いですが、かなり違った印象になるので注意が必要です。

アクセントを間違えるだけで全然伝わらないこともよくあります…!

文字と音を一致させる

発音記号を覚えたら、次に音読をしていきます。

お手本の音声を聞いて、それを理解しながら自分で再現することで、しっかり文字と音声をリンクさせましょう。

文字と音が一致しないように聞こえることもありますが、英語は一定のルールに基づいて音が変化します。

▶︎ Could you…
▶︎ Would you…
▶︎ important

Could you… や Would you… のように単語がくっつくパターンや、important などのように音が脱落するパターンがあります。

このような変化を、お手本の音声を聞いて、自分でもそれを再現するという練習を通して学んでいきましょう。

具体的な音読の方法はこちらの記事をご参照ください。

>>【徹底解説】リプロダクションの効果的なやり方(英語のリスニング勉強法)

こちらの記事ではスクリプトを見ないで音読をする「リプロダクション」をご紹介していますが、スクリプトを見ながらの「リピーティング」で大丈夫です。

処理スピード

最後に、リスニングのスピードについていくための勉強法についてお話しします。

意味も音声も正確に理解しているけれど、速すぎて聞き取れない…

ここまで意味理解と音声知覚についてお話ししてきましたが、まだきっとこんな風に感じる方もいると思います。

意味も音声も理解できているのに、スピードについていけないのは、英語の処理スピードが追いついていないからです。

例えば下の例文を読んでみてください。

It wasn’t until this week that his son, Naruhito, made his enthronement and that of his wife official. (CNN Student News より引用)

もしかしたら、少し難しく感じたかもしれません。

It wasn’t until…that… という構文や、enthronement の意味、that of.. のような代名詞の使い方は、英語が得意な人なら知っているかもしれません。

でもこの文をナチュラルなスピードで読み上げられた時、それを一発で理解できる人はきっと少ないはずです。

なぜなら、意味を知っていたとしても、それを瞬時に理解できないからです。

リスニングができない原因は、処理スピードが遅いことにあります

▶︎ It wasn’t until…that… は「〜して初めて〜する」という意味の強調構文。
▶︎ enthronement は throne という言葉からもわかる通り「即位」という意味。
▶︎ that of ~ の that は直前の enthronement を指す代名詞。

英語を聞いて全て日本語に訳していては、絶対にリスニングはできるようにりません。

また、英語を英語のまま理解できたとしても、聞いた瞬間に即座にイメージ化できるレベルまで落とし込めていないと、やはりリアルタイムで聞き取るのはかなり困難です。

 

POINT

英文を聞いたら、日本語訳をせず即座にイメージ化する

具体的にやるべきこと

▶︎ 日本語訳しないで理解するなんてムリ
▶︎ すぐにイメージ化すると言われても何をしていいか分からない

ここまでのお話を聞いて、きっとこんな風に感じる方も多いと思います。

リスニングにおいて、英語の処理スピードを左右するのは「出会った回数」です。

新しい表現に出会ったら、その表現の使い方を理解した上で、何度もその表現にリアルな文脈の中で出会うようにしましょう。

例えば先ほどのフレーズ It was not until…that… は日常会話やニュースなどでよく耳にする頻出表現ですが、これを文法書で一回読んで理解しただけでは、絶対にリスニングをしていても聞き取れません。

なぜなら、まだ体感で瞬時に理解できるレベルまで落とし込めていないからです。

ですので、文法書を読んだり、先生に教えてもらって理解した後、膨大な理解可能なインプットをしてください。

具体的には、Netflix や語彙制限本を活用して、理解できる楽しめるインプットを1日1時間はやっていきましょう。

具体的な手順についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

>>【インプットの質を上げる】質の高い英語のインプットの2つの条件

そうすることで、それが徐々に自分の知識になり、反射的にその意味を理解できるようになります。

 

POINT

頭で理解した知識を定着させるためには、大量な理解可能なインプットが必須

何度も質の高いインプットを繰り返すことで、次に来る言葉を予測することができるようになります。

例えば先ほどの例文で言えば、 It was not until… と聞いた時点で「時間」を表すキーワードが来ること、またその後に that が続くことを予想しながら聞くことができます。

このように何度も遭遇した経験があるかが、リスニング力を大きく分けることになるのです。

知識レベルで知っているのと、本当に使えるのでは雲泥の差なのです

まとめ

ここまでリスニングの勉強方法を基礎から一つひとつお伝えしてきました。

もしかしたら、この動画を見て「よしリスニングの基礎は単語と文法だから英語を聞くのをやめよう」なんて思われてしまったかもしれませんが、僕のオススメは全て同時並行でやっていくやり方です。

▶︎ 単語や文法を学ぶときは、しっかり発音を確認しながら音読をしながら取り組む。
▶︎ 英語を音読をするときは、学んだ単語や文法に意識を向けながら取り組む。

そうやって、英語と単語を学びながら、たくさんの英語を聞くことができたら理想的です。

そうすることで、意味理解と音声知覚を両方とも一緒に伸ばしていくことができ、何度もよく使われる表現に繰り返し出会い、処理スピードがどんどん上がっていき、結果的にリスニング力が上がっていきます。


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