こんにちは。上田哲也 (@English09040) です。
言語習得においてインプットは最重要です。
でも実際のところ、ほとんど意味のないインプットをしてしまってる人がたくさんいます。
英語を頑張っているのに、英語力が上がっている気がしない
もし皆さんがこんな風に少しでも感じているとしたら、今日の記事に答えがあるかもしれません。
・海外ドラマを見て英語を勉強している
・アカデミックな難しいテキストに取り組んでいる
・スキマ時間に英語を聞き流している
また、特にこのような勉強法をしている人も要注意です。
ということで今回は、インプットが無駄になってしまわないように、絶対に回避してほしい落とし穴3選をシェアしたいと思います。
皆さんの学習法がこれらに当てはまっていないか、しっかり確認してください!
目次
①理解できないインプット
まず一つ目ですが、正直これが最重要です。
かなりストレートな言葉にはなりますが「意味を理解していない状態でのインプットは意味が無い」のでご注意ください。
これは有名な言語学者クラッシェンの「インプット仮説」で言うところの comprehensible input なのですが、いくら読んでも聞いても、理解できないインプットは言語習得には繋がらないとされています。
聞き流しが効果が無いのはこれが理由か…
もしそう思われたとしたら、かなり勘が良いです。
ただ正確には「”理解できない英語”の聞き流しは効果がない」ということになります。
ほとんどの場合「聞き流すだけで」という謳い文句で教材を買ってしまう人は、英語の基礎力をつける前であることが多いので、結果的に聞き流しても理解できるインプットにはならず、全然英語が身につかない人が続出してしまうのです。
さすがに”意味が無い”は言い過ぎでは??
もしかしたら、こんな風に思われるかもしれません。
では一つ実験をしてみましょう。
例えば、この単語の意味がわかりますか?
reductionist
では、これを100回聴いたらわかるようになると思いますか?
ここでは実際にやりませんが、100回聞いてもきっと理解できるようにならないですよね?
これこそが、理解できないインプットはいくらやっても無意味になってしまう理由です。
ちなみに reductionist は「還元主義的な」という意味です。
じゃあどうやって理解できるインプットをすればいいの?
理解できる質の高いインプットをするやり方は2つです。
言語以外の情報:映像・文脈・背景知識
言語そのものの情報:単語・文法
ここからそれぞれ見ていきましょう。
言語以外の情報を活用する
一つ目は、言語以外の情報を使うことです。
具体的には「映像・文脈・背景知識」などです。
そのためには、Netflixなどストーリーのある素材に取り組むことをオススメします。あるいは自分の専門分野や興味のある分野の素材に取り組んでみてもいいでしょう。
・Netflix
・自分の専門分野の素材
これらのような、英語の理解が多少曖昧でも「映像・文脈・背景知識などで」補うことができれば、英語の理解度は格段に上がります。
言語の理解度を高める
2つ目は、言語そのものの理解度を高めるやり方です。
これはつまり単語や文法力のことです。
基本的に 英単語は iKnow! や Anki で覚えます。
【英単語アプリ】iKnow! の効果的な使い方を解説 (おすすめのコースも紹介!)
【最強の英単語アプリ】Anki の使い方のコツとカードの作り方 (裏表・穴埋めカード)
また 英文法は Grammar in Use を使って鍛えていきましょう。
【2022年版】Grammar in Use の使い方を徹底解説(効果的な勉強方法・種類と選び方)
英文法を短期間でマスターしたいという方は、ぜひこちらの Grammar in Use を使った英文法講座にご参加ください!
英文法講座 & コーチング【概要】
②楽しめないインプット
インプットは、楽しめる素材を選ぶことが鉄則です。
英語学習って辛い道のりなのでは?
辛い学習をしていては、英語上達のスピードは著しく下がってしまいます…
英語学習では、とにかく「楽しめる」インプットをしていきましょう。理想的なのは、自分が英語を読んでいることを忘れるくらいのコンテンツに出会うことです。
そのためには、コンテンツのジャンルはもちろんのこと、「理解できる」インプットであるということも重要になります。なぜなら、人間は難しすぎるものを楽しめない性質を持っているからです。
楽しめるコンテンツを選ぶコツは、①好きなジャンルと②適切な難易度を選ぶこと。
理解できて楽しめるコンテンツの探し方
本当は海外ドラマが見たいけど難しすぎて…
実はこの「理解できて、楽しめる」コンテンツを探すのがとても難しいところです。
大人が楽しめるコンテンツは英語が難しく、英語が簡単なものは子供向けで、大人にとってあまり面白く無いものだからです。
ここは Netflix for Kids を日英字幕を同時表示で見たり、Graded Readers (語彙制限本)を活用したりすることになります。
他にもBBCの “The English We Speak” や “6 Minute English” なども、中級者の方のにとっては「理解できて楽しめる」コンテンツになるのではと思います。
Netflix for Kids を日英字幕を同時表示
Graded Readers (語彙制限本)
The English We Speak
6 Minute English
これらについては、こちらの「英語学習ロードマップ」で詳しく解説していますので、まだ受け取っていない方は是非今のうちにお受け取りください。
③レベルが違いすぎるインプット
そして最後に、自分より少し上のレベル感のインプットをしましょう。
難しいテキストに取り組んだ方が伸びそう
たしかにTIME や The Economistを読んでいるとカッコ良いのですが、実際ほとんどの人にとって質の高いインプットにはなりにくいです。
多少難しくても、TIME や The Economist を読んでテンションがめちゃくちゃ上がる人であれば大丈夫です。
繰り返しになりますが、僕たちが英語を習得するのは理解できるインプットをしたときです。
ですので、難しすぎるコンテンツに取り組んでいる時は、当然理解度が下がるため、学習効率も下がってしまいます。
英語を構成する3つの要素
どんな英語であれ、これら3つの要素から成り立っています。
ですが、もし自分のレベルよりずっと難易度の高い素材に取り組むとこうなります。
こうすると、単純にかけた時間に対して、有効なインプットになる割合が少なすぎますよね。
しかも、理解度がここまで下がってきてしまうと、モチベーションの維持も難しくなります。
簡単すぎるインプットも意味がない
一方で、簡単すぎるものに取り組んでいても、新しい学びはありません。
This is a pen. (これはペンです)
I am a student. (私は学生です)
何となく察しがつくと思いますが、これらの英語をいくら読んだり聞いたりしたところで、英語力が上がりませんよね。
ですので、「時間に対する学びの量」と「モチベーションの維持」を考えて、自分より少しだけレベルの高い素材に取り組むようにしてください。
取り組む素材は、難しすぎても、簡単すぎてもダメ。自分より少しだけ上のレベルの素材に取り組む。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はインプットが無駄にならないようにするために意識するべきポイントを3つご紹介してきました。
・理解できるインプットをすること
・楽しめるインプットをすること
・自分より少しレベルの高いインプットをすること
もちろん、どれも大切なことではありますが、何よりも「理解できるインプット」をするというのが最優先事項です。そこを軸にしながら、できるなら楽しめる、そして少しだけレベルの高いインプットにトライしていきましょう。
おまけ:適切なアウトプットでインプットの効果倍増
最後に少しだけ「適度なアウトプット」の重要性についてふれておきます。
結論から言うと、アウトプットをすることで、インプットの質は上がります。
これは何故かと言うと、アウトプットをすることで、自分に足りないものを自覚できるようになるからです。
そして結果的に、その足りない部分を補おうと英語をどんどん吸収するようになるので、インプットの質が上がるのです。
アウトプットをしないでインプットし続けるのは、例えるなら喉が乾いていないのに、ひたすらに水を飲み続けるようなものです。喉が渇いていない状態と、カラカラに喉が乾いた状態、どちらが効率良くインプットできるかは明白ですよね。
メッセージ
英語は長期戦ですので、もしかしたらすぐに結果が出なくて不安になることもあるかもしれません。
ですが、今日ご紹介したやり方で「理解できるインプット」を積み重ねていくことで、間違いなく着実に英語のストックが溜まっていきます。
そして、できる限り楽しめる素材に取り組みながら、長期的なスパンで前向きに英語学習を継続していきましょう!