こんにちは。上田哲也 (@English09040) です。
今回は「英語を読むスピードを上げる方法」についてお話ししたいと思います。
ただ英語を速く読めても、精度が低ければ意味が無いので、正確には「英語を正確に速く読む方法」ということになります。
・TOEICの問題が全部解き終わらない
・いつまで経っても英語を読む速さが上がらない
・たくさん読んでいれば読むスピードが上がるか不安
今回の記事は、そんな方たちに読んでいただけたらと思っています。
英語を速く読めないのには原因があります。ですので、英語が読めない原因を突き止め、それを解決していく。それをいかに繰り返していくかがポイントになります。
逆にこれらのポイントを抑えないままに、ただがむしゃらに英語を読んでいても、英語力は上がりません。
ですので、これからお話しする内容を一つずつ抑えていくようにしてください。
目次
はじめに
僕らが英語を理解するときには、簡単に言うとこのようなプロセスを経ています。
まず最初に語彙と文法を処理してから、背景知識など既存の知識(スキーマ)を使い、より理解を補っていくという流れです。
この語彙や文法を処理することをボトムアップ処理、既存の知識を使った理解の補助をトップダウン処理と呼びます。
例えば皆さんも、英字新聞などを読んでいて、海外の話題だと全く理解できないけれど、日本の話題について書かれたものなら、何となく理解できたという経験がありませんか?
それは、皆さんの背景知識がしっかりあるために、語彙や文法などのボトムアップ処理をトップダウン処理でカバーしている状態なのです。
つまり英語を速く正確に読むためには、この単語、文法、既存の知識をそれぞれ強化していく必要があるのです。
さて、ここからは、これらのそれぞれの能力をいかにして上げていくのかについて、お話しをしてきたいと思います。
単語力
まずは何より語彙力です。英語が速く正確に読めないことの原因のほとんどは「単語を知らなかった」という結論にいきつくはずです。
例えば、英検やTOEICを受験する方であれば、一度問題を解いて丸つけが終わった後に、辞書を使ってもう一度解いてみてください。きっと、ほぼ全ての問題が正解になるはずです。それくらいに、単語力は英語を読む上で大事なことなのです。
もちろん「知らない単語は推測して読むべき」とも言われます。ですが、知らない単語を推測するには、本文中の95%以上の単語を知っている必要がありると言われていますので、やはり必要な単語は単語帳やアプリなどで覚える必要があります。
単語の覚え方は、人それぞれ好みがあるかと思いますが、個人的にはアプリを使うことをおすすめしています。こちらの iKnow! というアプリを使えば、日常会話、ビジネス、各種資格試験まで、それぞれに特化したコースがありますので、ご自身に必要なものを覚えてしまいましょう。
【英単語アプリ】iKnow! の効果的な使い方を解説 (おすすめのコースも紹介!)
文法力
次に強化するべきは、文法力です。
もし文法をしっかり理解しないまま英語を読もうとしたら、文の構造を理解しようと何度も返り読みすることになりますし、最終的には単語から適当に意味を推測することになります。
・現在完了形と現在完了進行形のちがい
・関係代名詞と関係副詞のちがい
・場所を表す at と in のちがい
例えば、これらの違いを自信を持って答えられないとしたら、Grammar in Use などで基本的な文法をまずは一通り勉強しておく必要があります。
【2022年版】Grammar in Use の使い方を徹底解説(効果的な勉強方法・種類と選び方)
また、文法は知っていれば良い、というものではありません。英語を速く正確に読むには、何度も読み返すことなく、一発で正確に文構造を見抜く必要があります。
よくある例としては、関係代名詞は知っていても、that が省略されていると気づかずに何度も読み返してしまい、理解するまでに時間がかかってしまうようなケースです。
これは、文法は知ってはいけるけれど、十分にその文法を処理した経験が無い状態、つまりインプット不足の状態です。そのためにも、日頃からスラッシュリーディングを実践するようにしてください。
スラッシュリーディングとは、このように英文の意味の区切りにスラッシュを入れていく読み方です。
英語をかたまりごとに理解していく訓練をすることで、英語を読むスピードはだんだんと速くなってきます。
このような練習を重ねることで、必要なスラッシュはだんだんと減ってきます。最終的には、スラッシュを入れずとも、区切りをしっかり意識しながら、頭の中でスラッシュリーディングができるようになり、何も書き込まずとも速く正確に英語が読めるようになります。
速読力アップ!英語の「スラッシュリーディング」のやり方
スキーマ(既存の知識)
そして最後にスキーマです。
本来であれば、単語と文法を完璧に理解して、書かれている文字だけで100%英文を理解できたら理想的ですが、リーディングの速く正確な理解においては、このスキーマによる意味理解の補助がとても大事になってきます。
先程は「スキーマ=既存の知識」としか説明していませんでしたが、実はスキーマには2種類あります。
①コンテント・スキーマ
②フォーマル・スキーマ
何のことだかさっぱりですよね。一つずつ説明していきます。
まず一つ目の「コンテント・スキーマ」ですが、これはざっくり言えば「背景知識」のことです。
先程の「日本についての英語の記事は読みやすい」という例でもお伝えしたように、背景知識があれば英語の理解がしっかりできていなくても、おおよその内容は理解できるものです。
ですので、極端な話し英語力を上げなくても、あらゆるジャンルの事柄に詳しくなるだけで、英語の読解力はアップさせられるのです。
ですので、もし皆さんが海外で仕事や勉強をされている場合は、その専門分野の知識を日本語で身につけることが役立つでしょうし、
英検やIELTSなどアカデミックな内容の試験を受けるのであれば、英語でドキュメンタリーなどを観て、英語力と同時に背景知識を仕入れることをおすすめします。
ちなににNetflixであればExplained や History 101などが個人的にはおすすめです。またLanguage Reactor という機能を使えば、日英字幕を同時に表示できるので、ぜひそちらも活用してください。
【Netflixで字幕を同時表示】Language Reactor (旧 Language Learning with Netflix) の使い方
そして2つ目がフォーマル・スキーマです。
例えば英語のライティングなどをやったことがある方はわかると思うのですが、英語の文章の書き方にはルールがあります。
つまりフォーマル・スキーマとは、この英語ならではの文の流れが分かっていると、リーディングの助けになりますよ、ということです。
まとめ
ということで、今回はリーディングのスピードを上げるための方法について、お話ししてきました。
速く正確なリーディング力を鍛えるには、単語、文法、既存の知識(スキーマ)をそれぞれ鍛える必要があります。
知らない単語があっても推測しながら読みすすめるには、少なく後も95%程度の単語を知っている必要があります。ですので、そのレベルの語彙がまだ無い場合はもちろんのこと、単語力不足でリーディングの速度が落ちている場合は、iKnow!などのアプリを使って語彙力を鍛えるようにしましょう。
次に英文法ですが、Grammar in Useなどで、基本的な英文法をおさらいしておいてください。その上で実際のリーディングで英文法を瞬時に理解するためにも、スラッシュリーディングなどに継続的に取り組むようにしましょう。
最後にスキーマです。英語を速く正確に読むには、背景知識をつけることが役立ちます。Netflixなどでアカデミックなジャンルを学ぶのであれば、Explained や History 101 などがおすすめです。また、英文の書き方の知識もあると、次の展開を予測しながら読むことができるようになります。
おまけ
単語も文法もスキーマも大事なのは分かったけど速く読めない…
もし、皆さんが必要な単語も覚えて、文法も網羅して、スキーマもがっつり固めているのに、思うようにリーディングスピードが伸びないとしたら、あとは質の高いインプット量の徹底的に増やしていくしかありません。
良質なインプットとは、一言で言えば、理解できて楽しめることです。その上で、少ない量の英文を深く理解する「精読」と、たくさんの英文をどんどん読みすすめる「多読」の両方のバランスを保ちながら、インプットの量をできる限り増やしていきましょう!
質の高いインプットについては、こちらの記事で詳しくお話ししているので、ぜひ興味のある方は観てみてください。
【インプットの質を上げる】質の高い英語のインプットの2つの条件