英語の多読(やり方・効果)

多読とは読んで字のごとく「多く読む」ことによる学習方法を指します。

多読とは、学生時代の英語の授業とは比にならない程、大量の英文を読み込んでいく学習法です。

私たちは中学・高校時代、数週間でたった一つの長文を読むような授業を受けてきました。しかし、それでは英語に触れる量が圧倒的に不足しているのです。そういう意味で、多読とはいわゆる「学校での英語」とは一線を画すものになるはずです。

 

■どれくらい読めばいいの?

現在ネットで多読を調べると、「100万語を目安に」という言葉を良く見かけます。

しかし、それぞれ違う英語の目標を持つ以上、一概にどれくらい多読をすればいいかと言うべきだとは、私は思っていません。100万語なんて数字は特に気せずに、個人の目標とかけられる時間に見合った学習量を意識してください。

 

■多読はとにかく「楽しむ」

多読の醍醐味は、何と言っても「好きな英語を好きなように読める」ことにあり、そのような点において、比較的自由度の高い勉強法のひとつです。

特に、日本で英語を学ぶ私たちは恵まれています。語彙制限をした洋書をはじめ、英字新聞やペーパーバックなど、とても読み切れないほどの書籍が日本にはあります。是非、多読という学習方法を思う存分楽しんでください。


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多読の意義と効果

 

①知識を定着させる

英語は、知識を「理解」する段階と、それを「定着」させる段階があります。そして、多読は後者の知識の「定着」を図る上で、とても大きな役割を持ちます。

 

私たち日本人は多くの場合、英語の知識は持っていても、それを定着させることをしてきませんでした。今までの英語の勉強では、文法はたった数個の例文、単語は対応する日本語訳を覚えて、それで「勉強したこと」になっていました。

しかし、それでは、文法や単語を「理解」できるようにしかなりません。つまり、テキストを読んで、説明を受けて、それでやっと「わかる」という状態です。

でも、これでは実践的な英語力は全くつくはずがありません。つまり、テキストの英語はわかるけど、実際に使われる英語を読んだり聞いたりしても、理解できないという状態で留まってしまうのです。

だからこそ、知識を定着させるためにも、ぶつ切りに学んだ文法や単語が、実際の英文の中でどのように使われているのかを、大量の英文を読むことを通して学ぶ必要があるのです。

 

②英文の処理速度が上がる

英文を速く読むためには、次の2つの段階しかありません。

①「ゆっくり」読めるようになる(精読)
②「速く」読めるようになる(多読)

 

ゆっくり難解な文章を読み解くトレーニングは精読で行い、「ゆっくりなら読めるもの」を、何度も何度も繰り返し読むトレーニングは多読で行います。

つまり、多読のイメージとは、ゆっくりできるものを繰り返し、徐々に速くそれをできるようにする訓練なのです。だから、多読のトレーニングにおいて、ゆっくりですら読むのが難しい英文を使ってはいけません。なぜなら、ゆっくり読んでも理解できない英文をいくら目でなぞろうとも、それが速く読めるようになることはないからです。

ですので、多読の過程において、新しい知識や技術の習得はありません。あくまで、ゆっくりできたものが、速くできるようになっただけのことです。

 

多読のやり方

 


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①読みたいものを読む

多読をうまく進めるコツは、「読みたいものを読む」に限ります。

多読は他の勉強方法とは違い、教材の選択肢が山ほどあります。ですので是非自分が読みたいと思える1冊を見つけてみて下さい。

そして、読んでいる本が飽きたらどんどん次の本にチャレンジしてください。同じ本を最初から最後まで読み通すことは、英語学習においては全く意味を持ちません。飽きたら教材を変える。そして楽しみ続ける。これが多読のポイントです。

 

②辞書は引きすぎない

多読は精読と差別化して行ってください。辞書を引いてじっくり読むのは「精読」、辞書を極力引かずに読めるものを読むのが「多読」です。

決して辞書を引いてはいけないという訳ではありませんが、辞書をたくさん引くということは多読の目的と合致しません。多読で最も大切なことは、大量の「理解できる英文」を読みこなすことだからです。

「わからない英文」を、辞書を引きながら分析的に読む学習は精読でするとして、多読ではとにかくスラスラと読めるレベルのものを大量にこなすことに集中してください。

※ただし、キーワードを除いて、残りが全部理解できる場合などは、辞書を引くべきだと、私は考えています。

 

③わからなくなったら止める

多読に使っている本が難しいと感じたら、その本はあなたにとってレベルが高すぎたということで諦めましょう。他にも多読に使える教材は山ほどありますから、スパッと諦めて次の教材を探してみてください。

どうしても好きな本だったら、いつかまた読むためにとっておくのもありです。半年、1年経って改めて同じ本を読んでみると、驚くほどにスラスラ読めるようになっているものです。そして、そういう瞬間こそが、自分の英語力の上達を実感するタイミングでもあります。

 

お勧めの書籍

 

繰り返しになりますが、多読を実践される際は、「自分がその本を読めるか」を基準に本を選ぶ必要があります。以下に紹介する書籍の中から、自分に合いそうなものを選んでみてください。

 

【初級~中級】
・Penguin Readers, Oxford, IBCラダーシリーズなどの語彙制限がされた本
・英検やTOEICなどの長文問題集

Penguin ReadersやOxfordのシリーズは実に豊富な種類がありますが、これらの本には対訳がついていないので、英語初心者には少し難しいかもしれません。(ただ本当に簡単なものは、ほぼ絵本に近いので、そちらを手に取ってみるのもありです)。

そのような時は、英検やTOEICなどの長文問題集が、対訳もついていて、一つひとつのストーリーが短いので、手に取りやすいでしょう。ただ、このような「試験問題」ではなく、対訳付きの「洋書」を探すのであれば、IBC対訳ライブラリーのシリーズをお勧めします。

 

【上級者】
・The Japan TimesのNEWS DIGESTや社説集
・天声人語の英訳版

  

ここでご紹介している本は、The Japan Timesなどからの抜粋であるため、対訳と音声が付いている以外に、学習者のための編集は特になされていません。ですので、もし生の英語を、そのままの難易度で学びたい方には、とてもいい教材になります。

 

【超上級者】
・英字新聞や洋書など(生の英語教材)

英字新聞や洋書などを推奨するレベルを「超上級者」としましたが、それ以前の段階で英字新聞や洋書を読んでも全く問題ありません。ただ、これらネイティブ向けに書かれた生の英語は、もちろん対訳も解説もありませんので、相応に難易度は高いです。ぜひご自身のレベルと相談しながら、適切な教材を選んでみてください。