【徹底解説】英語の精読の効果的なやり方 (長文読解力をアップする勉強法)

公開日:2013.05.25
英語学習ロードマップ

精読は英語のリーディング力(長文の読解力)を向上させるための勉強方法です。

でもいざやるとなると「精読ってどうやってやればいいのか?」「本当に精読は効果があるのか?」など迷うことってありますよね。

・英語の精読ってどんな勉強法?
・英語の精読の効果的なやり方は?
・英語の精読でおすすめの素材は?
・多読と精読はどうやって使い分ければいい?
・長文読解の問題を説いているだけではダメなの?

この記事ではそんな疑問にお答えしていきます!

また英語の精読をする人が、陥りがちな落とし穴についても詳しく解説します。

精読とは何か?

英語における精読とは、英文の一つひとつを、しっかり分析しながら読み進めていく学習法のことです。

英語は理屈上は「単語」と「文法」から成り立つので、それらが理解できれば英文は全て正確に理解できるはずですが、実際はそううまくはいきません。

単語と文法を知っていることと、実際に書かれた英文を読むことにはギャップがあるからです。

ですので、正確な英語のリーディング力を鍛えるためには、単語や文法の知識をしっかり学ぶことと並行して、精読を通してそれらが実際の英文の中でどのように使われているかを知る必要があります。

>>【2021年版】Grammar in Use の使い方を徹底解説(効果的な勉強方法・種類と選び方)

英語の理解力をアップさせるために、単語や文法の学習と並行して、精読は必ずやりましょう!

英語の精読のやり方

英語の長文を用意する

まずは英語の長文を用意しましょう。

長文を選ぶ上で大切なことは、丁寧に読んでほぼ全ての英語が理解できるレベルであることです。

和訳や解説はあるに越したことはありませんが、特別無くても大丈夫です。

スクールに通っていたり、先生に教えてもらっているのであれば、もう少し背伸びをした素材に取り組んでみるのもありです。

どんな方法でも良いので、素材を100%近く理解できるということが大前提です

ちなみに「理解できる」というのは、日本語訳と照らし合わせて何となく意味がわかることではありません。

それぞれの単語の役割や構造を、はっきりと人に説明できるレベルを目指しましょう。

精読をしているつもりが、ついつい感覚で読んでしまうこともよくありますので気をつけてください。

何となくで読んでも英語力は上がりません

またテキストを選ぶときには必ず「楽しいか楽しくないか」をしっかり意識して見極めるようにしてください。

これは、①楽しいと感じられる適切な難易度であるか、また②コンテンツ自体が興味を持てるものかということです。

つまらないと感じてしまうほどに難しい内容であればテキストを変えるべきですが、多少難しくてもコンテンツが楽しいから全然苦ではないというのであれば大丈夫です。

効果的な英語学習の最大の基準は「楽しいかどうか」です

まずは英文を読んでみる

精読をする教材を決めたら、まずは一度さらっと目を通してみましょう。

ここで今の自分がどれくらいの速さで英文を読めるのかを確かめます。

最初はあまりに英文が読めずに嫌になるかもしれませんが、それは英語学習の原動力にしていきましょう!

「今は全然読めないけれど、1時間後には絶対に読めるようになる」という心持ちで臨めたらベストです。

また、この速読の段階で完璧に理解できてしまうようであれば、テキストのレベルが易しすぎるので、そのような場合は、難易度を調整する必要があります。

辞書無しで精読をする

ここからがいよいよ本格的な精読です。

まずは多少難しいかもしれませんが、辞書なしで自分の力だけで英文解釈をしていきます。

1回読んだだけではわからなかったところも、2回3回と読んでいく内に理解できる幅が広がってくるものです。

この段階では、辞書を使わないでどこまで正確に理解できるかにチャレンジします。

ある程度自力で読めるところまで読んだら、次の段階に進みましょう。

辞書ありで精読する

自力で読めるところまで読んだら、ここから辞書を使っていきます。

辞書に複数ある単語の意味から、文脈を考えて適切なものを探します。また、品詞が何かもしっかりと確認していってください。

このようにして辞書を使いながら読んでいくと、分からなかった単語の意味がクリアになり、英文の理解力もかなり上がるはずです。

もしこの段階で理解できない部分については、単語の意味は全てわかっているはずなので、英文を読めない原因は単語力ではありません。

知らない文法が使われているか、構文を正確につかめていないことが、その英文を読めない原因ということになります。

和訳と解説を見ながら読む

辞書を使ってある程度英文に目を通したけれどわからない部分があれば、適宜和訳や解説を参照します。

自分の想像していた意味と、和訳が一致しないところもあるはずです。

そこで何故その和訳になったのかを考えながら、英語の構造をしっかりと理解をしましょう。

繰り返しになりますが、和訳と英語を照らして、何と無くわかったような気分になってしまっては何の勉強にもなりません。

その和訳や解説をヒントにしながら、英文の構造を理解するようにしてください。

その英文の構造が明確に理解できて、初めて精読をする意味があります。

もし解説を読んでも自力でわからなかった場合は、自分よりも英語のできる人に質問をするか、今はそれで良しとして次に進んでいきましょう。

いずれ英語力をつけて同じテキストに戻ってきたとき、「こんな英語が読めなかったのか」と思える日がくるはずです。

精読と多読の関係

「精読」が狭く深く読み込む勉強法であるのに対して、広く浅く読んでいく「多読」と呼ばれる学習法があります。

精読:英文を一つひとつ丁寧に読み進め、理解度を限りなく100%に近づけていく読み方

多読:無理なくほとんど理解できる英文を、より速く大量に処理していく読み方

>>英語の多読の効果的なやり方【おすすめのテキスト・教材】

中には、英語をたくさん読むという目的のために、英語の基礎力をつける前から多読に取り組んでしまう方もいらっしゃいますが、それはあまり効果的な英語の勉強法ではありません。

もちろん多読も英語学習において必須ではありますが、多読のベースは「正確な英文の理解力」です。

そしてその理解力を鍛えるのが精読ですので、精読なくして多読は成り立たちません。

精読を通して正確な英語の読解力を鍛えないままに多読をすれば、それはただ誤読を繰り返しているだけになり、どれだけ勉強をしても全く英語力が伸びないことにつながってしまいます。

あくまで最初にやるべきは精読。精読を通じて英文解釈の土台を作り上げた上で、大量の英文を読み込むことが重要です。

精読なくして多読は成り立ちません!

精読は長文読解とは違う

また、英語の長文問題集を解くことと「精読」を同じように言う人もいますが、長文読解と精読はイコールではありません。

長文読解のゴール = 問題を解くこと
精読のゴール = 精読は正確に英文を読むこと

長文問題は、例え英文を正確に読めていなくとも、問題は解けてしまうことがあります。

特に選択問題などは、キーワードだけで正解を選べてしまうものがあります。

そのため、問題を正解したことが、必ずしも英文を理解したということにはならないということに注意する必要があります。

精読の基準は、問題が解けたかではなく、文章が読めたかどうか。

もしこの二つを混同してしまっているようであれば、今一度、英語の勉強の「目的」について考えてみましょう。

英語の勉強の目的は、「英語が読めるようになること」です。

そしてその結果として、「問題が解ける」という状態になります。

長文問題を精読のテキストとして使うことはとても良いのですが、問題を解くこと自体が「目的」にならないように気をつけましょう。

英語を学ぶ上で大切なのは「目的」を明確にすることです

速読の前にまずは精読を

英語を勉強する時に、基本的には速読はしてはいけません。

まずは精読からしっかりこなしていきましょう。

特に試験対策をしていると、「時間内に問題を解き切る」という目的のために、ゆっくり読んでも分からない英語を早く読もうとしてしまいがちです。

しかし、こういった読み方は英語を学ぶ上では非常に良くないことです。

これは何度でもお伝えしたいのですが、ゆっく読んで分からない英語は、速く読もうとしても絶対にわかるようになりません。

速読は雑に読むことではありません。

ゆっくり英語が精読ができるようになって、よりスピードを上げても理解度を落とさずに英文を読めることを「速読」と呼びます。

ですので、速読を身につけようとしている方は、まずは精読を通して正確に英文を理解する訓練を積んでいきましょう。

速読は、精読が速くできるようになったときに実現するものです。

まとめ

以上が英語における効果的な精読のやり方です。

英語のリーディング力を上げるコツは、このようなプロセスでゆっくり丁寧に読める英文をひとつずつ増やしていくことです。

このようにして読める英文の幅を広げていきながら、理解できる英文を大量に読み込んでいく「多読」を並行して行うことで、確実に英語を読む力を向上させることができます。

>>英語の多読の効果的なやり方【おすすめのテキスト・教材】

僕の開講するコーチングコースでは、精読のサポートもおこなっています。興味がある方は下記のバナーから詳細をご覧ください!


英語学習ロードマップ