英語学習に欠かせないのがインプットですが、質の高いインプットとは一体何でしょうか?
「英語を話せるようになりたいけど、インプットはしたくない」と言う声も聞きますが、英語を話すプロセスは自分の中にある英語を外に出すことなので、まずは頭の中に英語を入れてないことには何も始まりません。
ではどうやったら質の高いインプットをすることができるのか、ここからは良質なインプットの条件についてお話していきます。
目次
「楽しめる」インプット
人間の頭は楽しいと感じたものはどんどん吸収し、楽しくないと感じた情報はシャットアウトしてしまいます。
学校で自分の嫌いな教科の授業を受けていたときのことを思い出してみてください。きっと授業の内容は全く頭に入ってこなかったはずです。でも逆に自分がすごく好きな教科はどうでしたでしょうか。きっとどんどん知識が頭に吸収されていったはずです。
英語も同じことです。そのコンテンツが楽しいと感じられたらその内容はすっと頭に入ってきますし、少しでもつまらないと感じてしまったらもう英語は頭に入ってきません。
今の時代、英語のコンテンツは無限にあります。ですから、少しでも自分には合わないなと感じたら、そのコンテンツに固執しなくて大丈夫です。どんどん次に進んでしまいましょう。必ず自分にぴったりのコンテンツが見つかるはずです。
「理解できる」インプット
もう一つインプットにおいて大切なのは「理解できる」ということです。
人間の脳は知らないものをいくら聞いても雑音としか認識しません。例えばアフリカ奥地の民族が話す言語をイメージしてみてください。そんな自分が全く知らない言語をいくら繰り返し聞いていても、聞き取れるようにはなりませんよね。
たしかに、英語は義務教育を通して多少の知識があるために、聞き流していれば何となくできる気がしなくもないですが「理解できないものはいくらインプットしても身につかない」という原則は同じです。
ちなみに、「理解できる」インプットをもう少し突き詰めるのなら「自分の理解できる少し上のレベルの素材」に取り組むのが理想的です。9割は無理なく理解でき、残りの1割も文脈などでほぼ確実に意味を推測することができる、くらいのバランスです。
そうやって自分が既にできる範囲を少し超えた部分が伸びしろとなり、自力で処理できる範囲が少しずつに広がっていきます。
「楽しめる」と「理解できる」のバランス
ここまでインプットにおいて、いかに「楽しめること」と「理解できること」が大切かをお話してきました。
ただここで一つ課題となるのがそのバランスです。
一般的に楽しいものであればあるほど(映画やドラマなど)難易度は高くなりますし、あまり興味を持ちにくいもの(中学生向けのテキストなど)ほど難易度が低くなるからです。
でもしっかり工夫さえすれば、「楽しめる」と「理解できる」は両立することは可能です。
ここからは「楽しめる」コンテンツを「理解できる」難易度でインプットするための、具体的なやり方についてご紹介していきます。
映像があるものに取り組む
これは映画やドラマ、YouTubeなどを使って学ぶやり方です。
英語を文字情報だけで理解するのは、純粋に「言語」だけが頼りになるので難易度が高いものです。
ですので、自分が英語だけで理解できないところを視覚情報で補うことで、英語の理解度を格段に上げることができます。
ストーリーがあるものに取り組む
「映像」を使うのと同じ理由で、「ストーリー」がある素材に取り組むのも効果的です。
例文集や問題集に掲載されているようなバラバラの短文は、その前後にストーリーがないので理解するためにかかる負荷は高いものです。
そのため映画やドラマ、小説などのストーリーのある素材に取り組むことで、意味を推測する足掛かりを作ることがお勧めです。
映画やドラマに日英字幕を同時に表示する
こちらはNetflixを使用して英語を学ぶときに使えるテクニックです。
Netflixは映像やストーリーのある素材に無制限にアクセスができるというだけで、英語学習において最強のサービスなのですが、Language Learning with Netflix (Google Chromeの拡張機能) を活用することで、日本語字幕と英語字幕を併記することができます。
必要に応じて適宜日本語字幕をチェックすることができるので、英語の理解度が格段にアップすること間違いなしです。
先に情報収集をする
難易度の高いコンテンツに取り組む場合は、YouTubeで関連する動画を観たり、日本語で情報収集を先にしておくと理解の助けになります。
また、洋書を読む場合には、日本語に翻訳されたものを先に読んだり、1ページごとに洋書と和書を交互に読んでも良いです。
自分の英語力と取り組む素材の難易度によって、どの程度の補助が必要かを見極めてみてください。
レベルを抑えたものに取り組む
楽しさをそのままに英語のレベルを抑えるのであれば、語彙制限本 (Graded Readers) を使うのもありです。IBCパブリッシングのラダーシリーズや英語学習者向けの英字新聞 The Japan Times Alpha などを活用するのもお勧めです。
他にも Netflix for Kids なども活用してみてください。Netflixのアカウントを持っている方であれば誰でも、たくさんの子供向けの英語コンテンツにアクセスすることができます。幼児向けのコンテンツは退屈に感じてしまうかもしれませんが、もう少し上の年代をターゲットにしたコンテンツであれば「理解できる」と「楽しめる」を両立できるものが多くあります。
まとめ
ここまで効果的なインプットの方法についてお話してきました。
インプットをする上で、まず大前提となるのが「楽しめる」ことと「理解できる」ことです。
ただどうしても「楽しめる」コンテンツであればあるほど難易度が高く「理解する」ことが難しくなるものです。だからこそ、ここでご紹介したようなテクニックを使って、自分が心から楽しめるものをしっかり理解しながらインプットしていただけたらと思います。