こんにちは。上田哲也 (@English09040) です。
本日は英会話力を一撃で上げるためのトレーニング方法についてお伝えしていきます。
英語力なんてすぐに上がらないよ
もちろんあらゆるトピックに対して、いきなりペラペラになることはできませんが、特定のトピックであれば誰でも今すぐに、英会話力を一段上のレベルへと引き上げることができます。
僕は今でこそ、教育、テクノロジー、動物、映画、日本文化など…大抵どんな話題でも英語でスムーズに話せるようになりましたが、それも全てこれからお話しするトレーニングのおかげだと思っています。
・何となく勉強しているけれど、英語が話せるようにならない
・英検やIELTSなどの試験で、難しいトピックへの対応力を鍛えたい
・日常会話よりさらに高度な英語力を身につけたい
こんな方たちに読んでいただけたら嬉しいです。
ちなみに、今回はこちらの書籍を参考にさせていただきながら、僕自身の実際の経験を交えてお伝えしていきます。
結論から言うと、英語のスピーキング力を上げるためには「同じトピックを繰り返す」ことが必要です。
なんだそんなことか
こんな風に思われた方もいるかもしれませんが、みなさん自身、何となく大事そうだなとは思っていたけれど、実際には出来ていなかった方がほとんどなのではないでしょうか。
ここからは、なぜトピックの繰り返しが大事なのか、そして、どうしてそれで英語のスピーキング力が伸びるのかについて、丁寧に解説していきます。
目次
スピーキングのプロセス
これを理解するためには、まずスピーキングをするときに、僕たちの頭の中で何が起きているかを知る必要があります。
英語のスピーキングプロセスには次の3つの段階があります。
①概念化:何を話そうか考える
②言語化:どういう英語にしようか考える
③調音化:音にして相手に伝える
僕らにとって英語を話すのが難しいのは、これらのプロセスで膨大なエネルギーを使うためです。
特に、②言語化や③調音化は、第二言語として英語を話す僕らにとってはとても難しいことです。
英語でどうやって言えばいいのかがわからなかったり、正しい発音がスムーズに出てこなかったりするという経験は、皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
また、これは見逃されやすいポイントですが、そもそも話したい内容がまとまっていない、という①概念化レベルで行き詰まってしまうパターンもよくあります。
例えば、哲学的な質問を英語でされて言葉に詰まってしまうのは、英語力ではなくそもそも「そんなこと考えたことない」というのが理由かもしれないわけです。
「同じトピックの繰り返し」が効果的な理由
さて、僕らが英語を話す仕組みが分かったところで、
なぜ同じトピックの繰り返しがスピーキング力アップに効果的なのかを解説していきます。
まず、同じトピックを繰り返し扱うことで、どんな内容を話そうかという概念化の部分が固まってきます。
また、言いたいけど言えない表現を辞書を引いて調べて、繰り返し練習することで、表現力が徐々に洗練され、だんだんと意識しなくても使えるようになります。
そして、同じ表現を繰り返し話す練習をすることで、発音にあまり意識を向けなくても綺麗な発音ができるようになります。
このように、同じトピックを繰り返すことで、アイディアがかたまり、表現力がアップし、発音のスキルがアップしていきます。
また、それぞれのプロセスを無意識にできるようにすることで、発話スピードがアップすると同時に、文法などの言語形式にもより多くの注意を向けることができるようになります。
トレードオフ仮説
スピーキングの3つの要素である、複雑さ・正確さ・流暢さは、それぞれトレードオフの関係にあります。ちなみにこれを、トレードオフ仮説と言います。
これはどういうことかというと、僕らの注意量(認知的資源)は限られているので、この3つのうちどれか一つに注意を向ければ、他の2つがおろそかになってしまうということです。
つまり、英語を速く話そうとすれば、シンプルでミスの多い英語になってしまうし、難しい構文を正確に使いこなそうとすれば、発話スピードが落ちてしまうということになります。
ですので、今日ご紹介した「同じトピックを繰り返し練習する」学習法を取り入れることで、スピーキングにおけるプロセスをできる限り無意識に実行できるようにして、認知的負荷を下げることが大事になってきます。
まとめ
ということで今回は、同じトピックに繰り返し取り組むことで、英語のスピーキング力を高める方法についてお話ししてきました。
僕らが英語を話すプロセスは次の通りです。
①概念化:何を話そうか考える
②言語化:どういう英語にしようか考える
③調音化:音にして相手に伝える
そして、同じトピックを繰り返し扱うことで、何を話そうかというアイディアがかたまり、表現力がアップし、発話がスムーズになります。
このようなプロセスを経ることで、英語を話すために必要なあらゆる側面を無意識にできるようになり、認知的負荷を下げることができるので、より複雑で正確な英語をスピード感を持って話すことができるようになるのです。
おまけ:2つの注意点
ちなみに、今回お話した学習を実践する上で、2つ注意点があります。
概念化はシンプルに
まず一つ目は、概念化はできるだけシンプルな内容を心がけてください。
きっとこの動画を観ている皆さんの多くは大人の方だと思いますが、みなさんが大人の頭で考えたアイディアというのは、英語で表現するには難しすぎます。
ですので、5歳の子供にも分かるくらいシンプルなアイディアにするように心がけて下さい。
建設的な繰り返しをする
そして2つ目は、建設的な繰り返しをするということです。
英語はただ「繰り返していれば」うまくなるものではありません。
みなさんも、毎日の歯を磨いたり、スマホで写真を撮っても、ただ繰り返しているだけではうまくなりませんよね。英語も同じです。
本当に英語力を高めたいのであれば、昨日よりも今日、今日よりも明日と、改善を重ねながら繰り返さなければいけません。
例えば、いつもシンプルな文ばかり作ってしまうなと感じたら which や who などの関係詞を使ってみようとか、and や because が目立つなと感じたら even though や as long as などにもトライしてみるとか、そういう改善を繰り返していく必要があるのです。
もし皆さんが表現力が伸びずに悩んでいるということであれば、ぜひGrammar in Useなんかにもトライしてください。皆さんの英語力をぐっと引き上げるために必須の構文や表現がたくさん見つかるはずです。