前回の記事はこちら。
>>正確なリーディングのための4つのルール①
②前からどんどん読んでいく
英語は、後から後から必要な情報を伝えてくれる言葉です。英語を読み進めていて、最初は漠然としていて「あれっ」と思ったとしても、後からちゃんと説明してくれる、そんな言葉です。
だから、漠然としたイメージの解像度を、徐々に上げていくような気持ちで、前から順々に英語を読んでみてください。一つひとつ、前から日本語に訳していく必要はありません。
具体的にどういうことか、3つの例文を通して見ていきたいと思います。
1) This is something he’s got to do himself.
This is something…
これは something なんです
→something が何かと言うと?
He’s got to do himself…
彼自身がやらなければならないこと
2) I often find myself that I take it for granted that I can take a shower anytime I want.
I often find myself that…
私はよく自分がそうしていることに気づく
→何に気づくかというと?
I take it for granted…
私はそれを当然だと捉えている
→何を当然だと捉えているかというと?
I can take a shower
私がシャワーを浴びられること
→もっと具体的には?
anytime I want
いつでも私が好きなときに
3) It is natural for us to pay attention to human rights issues of that country.
It is natural…
それはごく自然なことである
→誰にとって?何が?
for us to pay attention…
私たちにとって、注意を払うことが
→何に注意を払う?
to human rights issues of that country.
その国の人権問題に
英語は、後ろからどんどん継ぎ足していく言語。だから、「仮に継ぎ足さずに途中で切ったとしても、ちゃんと意味が通る完結した英文になる」ことにも、ぜひ注意しながら読んでみてください。
③スラッシュで区切った中身の意味は変えない
リーディングの練習方法の一つに、スラッシュリーディングというものがあります。(英文を読むときに、意味のカタマリごとにスラッシュを入れていく読み方です)
※この読み方の根底にある考え方は、先ほどの「英文は前からどんどん読み進めていく」というものです。
ただ、このスラッシュリーディングで気をつけるべきは、スラッシュで区切った中身の意味を変えない、ということです。
原則として、英文をスラッシュで区切ったら、そのカタマリはそのカタマリで完結させます。そのスラッシュで区切られた英文の意味が、スラッシュの外に飛び出さないようにしてほしいのです。
■実際にその例を見てみましょう
One of the top priorities / of learners of English around the world / is to improve their fluency, / by which they usually mean / how quickly and “smoothly” they can speak the language, / including avoiding pauses.
・最も重要なことの一つは…
・世界中の英語学習者にとって…
・流暢性を高めることである…
これらの意味の意味のかたまりは、そのまま維持しなくてはいけません。これがスラッシュを飛び越えて意味がこぼれ出てしますと、こうなります。
①英語学習において最も大事なことは…
②世界中の流暢性を高めることである…
多少意味がスラッシュの外に飛び出して、内容がごっちゃになっても、①のように意味が通じる時もあります。でも、②のような解釈になったらどうでしょう。もう何がなんだかわからなくなってしまいますよね。
■スラッシュの中身は、すでに完成したひとつのブロック
英語のチャンクごとにスラッシュを入れたら、そのスラッシュの中身の意味を変えてはダメ。
スラッシュの中身は、すでに完成した一つのブロック。そのブロックを崩さないように積み重ねながら、英文は組み立てられていることを意識してみてください。
■おすすめのテキスト
僕が最近気になっているのは「速読速聴英単語 Core 1900」です。このテキストは、長文で覚えるというコンセプトの単語帳なのですが、僕はこれを予めスラッシュが入った読み物としてお勧めします。
スラッシュリーディングのための教材もいくつかあります。ですので、興味がある方は、ちょっと大きな書店に行くと見つけられるかもしれません。
④イメージ、そして日本語へ
和訳とは、いきなり「英語→日本語」と言語を変えることではありません。和訳とは、英語をまずはイメージとして取り込み、そのイメージを日本語で描写する、そいういう感覚で行われるものです。
そうすることで、英語と日本語を1対1で対応させた不自然な和訳ではなく、自然な日本語で和訳をすることができるようになります。
このことについては、こちらに詳しく書いてあるので、興味がある方は読んでみてください。
■試験問題を解く時の注意
ただし、和訳問題を解く場合は、意訳しすぎず、必ず英文と日本語のカバーする内容がちゃんと一致する必要があるかもしれません。
なぜなら、「試験問題」という性質上、「ざっくりとした内容があっているか」ということに加え、「それぞれの単語の意味や働きを理解している」ということも採点する側に伝えておいた方が、確実に加点されると考えられるからです。