スピーキングで日英翻訳(2)

ここまで、ネイティブの表現を吸収し、それを自分の言葉に落とし込んでいく、という勉強法を紹介してきました。

スピーキングで日英翻訳(1)

この勉強法自体は、とても効果的ですし、私自身いつも実践しているものです。しかし、この勉強法もやり方を間違えると、ちょっとした「問題」に直面します。

 

ひとつだけ注意するべきこと

 

その問題とは、同じテーマで話せば話すほど、自分の言い回しがお手本に近づいてきて、いずれ完全にお手本通りの言い回しに固定されてしまうことです。

「お手本通りに話せたらいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。たしかに、綺麗な英文を仕込むのは大変重要なことです。でも、その通りの言い方しかできなくなるのは、決していいことではありません。

実際、決まったセリフを暗記することは、英会話にはあまり役に立ちません。なぜなら、私たちの普段の会話は、丸暗記したフレーズのやりとりではないからです。

 

だから、お手本を丸暗記するよりもっと大切なことは、それらを「使いこなす」ことです。いかに覚えたフレーズに応用を利かすか、私たちは常にそれを考える必要があるのです。

 

じゃあどうするか?

 

日英翻訳をスピーキングで行うこの勉強法は、同じ題材を繰り返し勉強することで、自分の言葉をネイティブの言葉に近づけていくトレーニングです。(詳しくはこちらを参照)

だからこそ、ネイティブの表現を吸収できるメリットがある反面、「絶対に毎回違う文章で喋ってやるぞ」という意気込みがなければ、ただの文章丸暗記に陥ってしまう危険があります。

 

練習をする過程で、仮に全文覚えていたとしても構いません。私もこの勉強を3〜5往復くらいする頃には、そのページはほぼ全て覚えてしまいます。

※ちなみに、普通に練習していれば、テキスト1ページくらいの文章はすぐに全部覚えてしまいます。こんな風に言うと、最初はあまり信じてもらえません。でも、やってみるとすぐに実感できるはずです。

 

練習する過程で、どんなに覚えた文章が頭をチラついても、その一部しか使わないと決めてください。本当に自分が使いこなせるようになりたいフレーズや単語だけ残して、残りは毎回言い回しを変えていくくらいの意気込みです。

以下にちょっとした例を挙げてみます。固定するのはbesides the vocabularyだけ。あとは適当にアレンジを加えながら喋ってみます。

 

【原文】
Paying attention to the grammar is probably the most important part of the language besides the vocabulary.

【言い換え①】
You have to pay attention to the grammar, and it might be one of the most important things besides the vocabulary.

【言い換え②】
What you really have to do is focus on grammar, which is probably the most important part of the language besides the vocabulary.

 

もちろん、最初からうまく言い換えられるとは限りません。でも、そうやって何回も何回も違うパターンに当てはめてフレーズや単語の使い方を学ぼうという意識は大切にしてください。

そうすることにより、その言葉と他の様々な要素が関連付き、自分の中により強くイメージが定着するようになります。

 

私たちは「人」と話している

 

固定した文章を覚えてしまうことは、そのカタマリを一気に言い切ることでしか、英語を話せないということです。

でも、それでは、それが使えるシチュエーションまで待たなきゃ、せっかく覚えた英語はいつまで経っても使えません。

 

また、私たちは暗記した難しい英語を披露するために英語を話す訳ではありません。相手の気持ちや状況に応じて、柔軟に言葉を使わなければならないはずです。

もし自分が友達と話していて、相手が突然、暗唱した文章を話し始めたらどう思うでしょうか。

会話をすることと、暗記した文章を再生することは、全くの別物です。

 

組み立てたものをストックしない

 

けっきょくのところ、どんなにいい「文章」を覚えたとしても、あくまでパーツはバラで保管するべきです。

パーツを完全に組み立てたものをストックしてしまっては、実際の会話において臨機応変に対応することができません。

そのためには、覚えたパーツはバラで保管する。そしてそれらを、必要があればどんな形でも使いこなせるようにする。

これが私たちの目指すべきものです。