単語は日本語訳ではなく、イメージで理解する

英語と日本語はそもそも対応していません。

多くの人がはまってしまう落とし穴があります。
それは、「英単語ひとつに、対応する日本語訳がある」ということ。

でも、この覚え方をしてしまうと、たくさんの問題があります。
(その問題については追ってお話ししていきます。)

そもそも英語と日本語は、ほとんど共通点のない言語です。なので、英語と日本語の単語がカバーする概念がぴったり重なり合うことはほとんどありません。

例えば、giveの日本語訳を見てみてください。
※ALC英辞郎より引用。

【give】
自動詞
施し物をする、寄付する
〔物理的な圧力で〕たわむ、へこむ、崩れる
〔精神的な圧力で〕折れる、譲歩する
〔窓やドアなどがある場所や方向に〕面している、通じている、見通せる
〈俗〉起こる
他動詞
〔人に物を〕手渡す、預ける
〔人に物を〕与える、贈る
〔人に物を〕売る、売り渡す
〔人に代金を〕支払う◆【同】pay
〔人に薬を〕施す、与える◆【同】administer
〔~に身体的動作を〕加える、する
〔人に罰などを〕科する
〔人に権利などを公式に〕授ける、付与する
〔人に称賛などを〕送る、与える
〔人に信頼などを〕寄せる
〔非難などを~に〕帰する
〔意見や情報などを〕伝える、知らせる
〔人に印象や考えなどを〕思い浮かばせる、考え付かせる
〔時間や努力などを〕注ぐ、ささげる
〔人や生命などを〕ささげる、犠牲にする
〔誓いなどを〕立てる
〔人のために催しなどを〕実施する、開く
〔公演などを〕行う
〔人に~であると〕思わせる、信じさせる
~を生み出す、~が結果としてできる

なぜ1つの言葉に対して、こんなにたくさんの訳があるのか。

それは決して1つの英単語が「たくさんの意味」を持っているからではありません。そうではなく、1つの英単語がカバーできる領域が、日本語と全く違うだけなのです。だから、1つの英単語の意味を表現するために、たくさんの日本語を当ててあげなきゃならないのです。

もちろん、これと逆のことも起こります。

例えば、日本語を和英辞典で引いてみてください。きっと、1つの日本語にたくさんの英訳が載っているはずです。これも、日本語と英語の単語が表現できるイメージが全然重ならないからこそ起きることです。

 

英単語はイメージで覚える

 

今までお話ししてきたように、1つの英単語には、たくさんの日本語訳があります。

なので、それを全部1つひとつ覚えていこうなんて思ったらとても大変です。

原則として、1つの英単語は、1つの概念を表します。

例えば、上記の例で言うなら、giveという英単語が表現するのは、「何かを与える」というイメージです。そして、そこから派生してあれだけたくさんの訳語になるわけです。

だから、英単語を暗記するときは、その言葉が持つイメージに意識を向けてみてください。日本語訳ではなく、です。

 

英単語のイメージのつかみ方

 

では、実際にどうやって英単語のイメージを掴めばいいのか。ここではいくつかのやり方をご紹介します。

①和訳の中から共通項を見つける

英単語を辞書で調べると、ほとんどの場合、いくつかの和訳が出てきます。でも、先ほどお話しした通り、それらの訳語は必ず共通のイメージを持っているはずです。そのため、そこに書かれている和訳の目を通し、それらの和訳の共通項を探すことによって、英単語のコアのイメージを掴むことができます。

②英英辞典を使う

英英辞典の特徴は、別の言葉で言い換えながら、その英単語を説明してくれるところです。英単語の持つ根っこのイメージを捉えるためには、とても重宝します。Longman英英辞典などは使いやすくてお勧めです。

③グーグルで画像を検索する

わからない英単語が出てきたときに、グーグルで画像を検索するのも一つの手です。百聞は一見にしかずです。言葉で説明されてもわからなくても、画像でならわかるということもたくさんあります。

 

日本語訳で覚えてしまうと起きる問題

 

僕が以前、中学生の子に英語を教えていたときのことです。教科書に出てきた”answer the question”というフレーズの意味を僕が生徒に確認すると、その子は「電話に出る」と回答。

もちろんここでの answer の意味は「質問に答える」です。

でも、その子の学校では「answer=電話に出る」と、1つの英単語に1つの日本語を対応させて英語を学んでいました。もしその子が学校で、「answer=電話に出る」ではなく「何かに答える、応答する」といったイメージで単語を学んでいれば、このような勘違いはなかったのではないかと思います。

 

しっかりと対になる日本語があるパターン

 

一部の単語については、日本語訳をそのまま覚えてしまった方が良いものもあります。例えば以下のような言葉です。

・二酸化炭素
・連立方程式
・白血病

これらの名詞に関しては、日本語と英語がほぼ完全でイコールで繋がります。意味の輪郭がはっきりしているのです。ですので、英単語の日本語訳を覚えることに全く問題はありませんし、むしろそのようにするべきだと思っています。

英単語と日本語で意味がずれてくるのは、抽象的なもの、その文化圏にしかないものを表す単語です。一方で、これらのような、世界の共通認識の「名前」であれば大丈夫です。