英語学習のモチベーションを高く保ち続けるために

公開日:2014.12.28
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昔々、荒野で石を運んでいる二人の男のそばを旅人が通りかかりました。「なぜあなた達は石を運んでいるのか」と旅人が聞きました。

「おれは石を運べと言われたから運んでいる」と一方の男が言いました。もう一方の男は「おれはここに立派な神殿を作るために石を運んでいる」と言いました。

さて、彼らのうちのどちらが、モチベーションをより高く保って石を運び続けることができるでしょうか。

 

なぜ英語をやりたいのかを明確にする

 

私は人に英語を教えるとき、必ず「なんのために英語をやるか」を明確にするように伝えます。

言われたから英語をやる、やりたくないけど周りがやるから英語をやる、というような目的意識(そもそもこれを目的意識と呼んでいいのかはわかりませんが)では、英語学習が長続きしないのはあたり前です。それは、先ほどの石を運ぶ男の例からも分かる通りです。

やれと言われたから石を運ぶ男は、いずれこの辛い作業を投げ出すでしょう。しかしもう一方の、「なぜ石を運ぶのか」をしっかりわかっている男は、その目標を達成するためであるならば、どんな苦難でも乗り越えていけます。

 

みんな「WHY」より「WHAT」を知りたがる

 

英語を勉強する人はいつもwhatの部分、つまり「何をやればいいのか」という一番表面の部分ばかりを知りたがります。

しかし、先ほどの例からもわかるように、人を根本的に動かすのは常にWHYの部分、つまり「なぜそれをやるのか」という理由です。WHYが原動力になり、HOWを見つけ出し、結果としてWHATのレベルとして表面に現れるのです。

 

ゴールデンサークルという考え方

 

この記事の基礎になる考え方は、この動画で紹介され、世界的に大きな反響を呼びました。本当は全体を通して見て欲しいのですが、もし時間がないのであれば、最初の3分間に目を通してください。

最初の3分間で、彼は「ゴールデンサークル」という考え方の概要を説明しています。このプレゼンの中でゴールデンサークルはマーケティングの観点で語られていますが、英語学習のモチベーションを考える上でも応用可能なものです。

※もし英語がまだ苦手だという人は、こちらにアクセスして、日本語字幕を選択することも可能です。

 

ゴールデンサークルの概要

 

ここに、ゴールデンサークルの概念を利用して、英語学習におけるモチベーションについて考えてみます。

動画の中でも解説されていたように、人の行動は内側から、WHY→HOW→WHATという順番で表面に現れてくるものです。

①なぜそれをやるのか(WHY)
②どうやってそれをやるのか(HOW)
③そして実際に何をやるのか(WHAT)

しかし大抵の場合、英語学習で重要視されるのは、WHATの部分です。最近の英語学習に関する書籍や情報というのは、驚くほどにWHATばかりを論じる傾向にあります。おそらくそこが一番表面的でわかりやすく、尚且つ即効性があるように「見える」からでしょう。

 

でも、本当にWHATを知ることが、一番大切なことでしょうか。今一度、石を運ぶ男たちの例に戻って考えてみます。あなたが石を運ぶことを命じられたとして、どうやったら神殿を作るという目標を達成することができるでしょう。

 

石を楽に運ぶテクニックを探すのも一つの手です。なぜ石を運ぶのかも考えず、ただ淡々と「楽なテクニック」を探しながら、とにかく苦痛な作業を早く終わらせようと働きます。ただ問題は、どんなテクニックを使おうとも、所詮石運びは石運び。それが辛いことには何の変わりもありません。

ただもう一方で、「何のために石を運ぶのか」を考えて、WHYを明確に持ちながら石を運ぶこともできます。それらの石で作られる神殿を心にイメージして、それを達成するために試行錯誤するのです。たしかに作業そのものは楽にはならないかもしれませんが、自分のやっていることに意味と誇りを見出せたとき、目の前の景色は変わります。

 

 

「WHY」がブレない人は強い

 

「何故それをやるのか」がわかっている人は、小手先のノウハウを持っている人なんかよりも、ずっと強いです。

 

ゴールデンサークルの図からもわかるように、WHYは常に円の中心にあります。ですから、このWHYが定まっている人は、表面のWHATでうまくいかなくとも、自分が戻るべき原点(WHY)を知っています。そして、原点に一旦戻った後、改めて外側へ一歩踏み出し、次のWHATにトライすることができます。

しかし、表面(WHAT)だけしか見ない人は、一度表面で失敗してしまったら最期、戻るべき原点(WHY)を知りません。つまり、失敗してしまったら、次どこに踏み出せばいいかわからないのです。

 

確固たるWHYを軸にしている人は、そこを中心にしてどこへでも行くことができます。そしてそこに軸を据えている限り、どの方向に踏み出そうとも、それに伴うHOWやWHATは、自分の根本の目的に沿ったものです。

しかし、表面のWHATばかりをウロウロしている人は、ずっと目的地につくことはできません。ただただ、自分の周りに現れては消える「うまくいきそうなノウハウ」を追いかけることだけで時間が過ぎていきます。

 

だから、英語学習においては、WHYがしっかりしている人は確実に成果を出してきます。逆にWHYが定まっていないままWHATばかりを追い求めている人は、1年経っても2年経っても、もっといい勉強方法(WHAT)を探し続けています。

繰り返しにはなりますが、WHYを知らないまま英語を勉強するということは、目的も知らないでただ石を淡々と運ぶ作業をすることと、なんら変わりありません。自分がその石を運んで何を作ろうとしてるのか、それをまずは知るべきなのではないでしょうか。

 

何からやればいいですか?は違う

 

英語は何を勉強すればいいですか?
英語をどれくらい勉強すればいいんですか?

 

私はよくこんな質問を受けることがあります。しかし、これまでのことを考えるのなら、少しそれとは違ったことに目を向けるべきだと気づきます。

英語学習をする人が、そもそもまず考えるべきことは、「あなたはなぜ英語をやりたいのか」ということです。何故なら、この中心(WHY)さえ決まってしまえば、それに付随するもの(WHAT)は自ずと答えが見えてくるからです。

 

なぜ英語がやりたいのかがわかれば、そのためにはどれくらいの英語力が必要かがわかります。そしてそれがわかれば、英語を指導する立場の人間は、あなたの現状を分析して、足りない部分を補う勉強方法を提案できるでしょう。

しかし、その一番コアになる部分については、他の誰かがあなたに教えてあげることはできません。ましてや、他の誰かに答えを求めるべきものでもありません。なぜなら、「何故英語をやるのか」は、あなたが自分自身と向き合って初めてわかるものだからです。


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